昨日は、私が9年間お世話になってます、東文化小劇場がリニューアルオープンを迎え、記念のオープンコンサートを開催させて頂きました。
コロナ禍の中、平日のお昼間でしたが、沢山の方にご来場頂きまして、お陰様で無事に全20曲を最後まで歌い切る事が出来ました。
これもひとえに皆様の温かいご支援のお陰です。本当に有難うございました。心から感謝申し上げます。
今回は長い間のコロナの自粛で辛い想いをして来た皆様の心に寄り添える、花の歌を沢山集めさせて頂いたコンサートでした。
日本の抒情歌の中には、沢山の花の名曲があり、長い間歌い継がれてきた名曲には、本当に美しいメロディと叙情的な詩があり、日本人の私達の魂に触れる事が出来ます。そんな奥ゆかしい、素晴らしい感性が、日本の歌にはあることをこの度、何曲か歌わせて頂くなかで、再度学ばせて頂き、育んで参りました。
また、コロナ禍で、更に深くに音楽や歌の素晴らしさに再度、感銘を受け、何度も励まされてきました。それは、メロディであり、詩から、幾つもの美しさや儚さ、寂しさを感じとる事が出来ました。これは、私達人間にしか持たない感情というものから、生まれた素晴らしい、芸術であり、その表現に寄って、私達は、生きる事が出来るのでは無いかと思っています。
歌を聴き、感動し、喜び、悲しみ、そして、自然と涙が、出てくる、これも、私達人間の心で感じる事ができる唯一の悦びでもあります。
生のコンサートには、CDや映像では感じ取れない、周波数が生まれます。これは、会場に来て初めて感じるものです。この周波数に寄って、身体全体が音楽の振動に触れる事ができます。耳からだけでなく、身体全体の毛穴一つひとつから、音の振動を感じ取る事が出来ます。
声は身体が作り出す、人間の究極の表現の一つだと思います。
ですから、声を発する事、息を吸う吐く、歌う事の素晴らしさに改めて、生きる真髄を見た気がしました。コロナ禍で、歌う事や大きな声を出す事が、出来なかった事で、その重要性に改めて気付かせて頂きました。
声はまた、身体から発せられる楽器でもあり、私達に与えられた神様からの贈り物です。
そして、言葉一つひとつも大切な響の上で成り立っています。この声と言葉と息が一つになったのが、歌であり、私達の生きる喜びや悲しみを伝える事のできる素晴らしい賜り物であると日々感謝して歌わせて頂ける喜びと感謝の想いでいっぱいです。
ですから、訳もなく、涙がというのは、細胞一つ一つが、音や声に反応し、共振し、共鳴して起こりうるのです。
コロナ禍で久しぶりにコンサート会場に足を運んで下さったかたもいらっしゃたと思います。
コンサートが始まって直ぐに、涙を流されていた方もいらっしゃいました。それくらい、生の音楽、歌は心のストッパーを外してくれるのですよね。
私も歌の歌詞の内容や感情の一つひとつを自分の中に落としこみながら、一曲ずつマスターしていく過程の中で、感動し、涙することもしばしばあり、それを乗り越えてこそ、歌えるものと、毎日、一曲一曲と向き合いながら、作り上げて行きました。
声楽、歌は身体が楽器ですからその日の体調次第で、声のトーンや息の長さ、響きまで変わってきます。ですから、当日を最高のパフォーマンスに持って行くために、集中力と毎日の身体との向き合い方が大切になります。
今回はプログラムは18曲という曲数で、アンコール二曲を含む、全20曲に挑戦しました。
最後に日本歌曲のアリアと、オペラ【椿姫】のああそはかの人か花から花へを歌い切るために、全体力と声のコントロール、集中力で挑みました。
皆様の応援や励ましのお陰で、無事に最後まで歌い切る事が出来ました。
本当にありがとうございました。
これからも、精進して歌い続けたいと思いました。
ソプラノさちあ